病気の子どもを育てる親が、前向きになる方法を考える

会社員の夫と共に、持病をもつ娘の子育てに奮闘する会社員(育休中)のブログ

子どもにたくさん税金が使われている現状を前向きに考える

妊娠が分かった頃から産休に入るまで、業務量を減らしてもらったり、急な体調不良で仕事を休んだり、同僚にたくさん迷惑をかけてしまいました。
産休に入るときも「戻りたくなったら戻っておいで。子育て楽しんでね。」と温かく送り出してもらいました。

「この恩は復帰後に必ず返すぞ!」と意気込みつつ、ひとまず申し訳なさを軽減するために、「私は出生率向上に貢献し、将来の納税者を増やそうとしているんだ!みんなにとっていいことをしているんだ!」と自分に言い聞かせていました。

 

いざ子どもが生まれてみると、風邪やら湿疹やらで毎週のように近所の病院に行き、持病の検査や治療で大きな病院にも足繁く通い、複数回入院し、手術もしました。

これまで膨大な点数の医療費明細書をもらってきましたが、子どもの医療費が無償となっている自治体に住んでいるおかげで、私と夫は娘の医療費を1円たりとも払っていません。

 

娘の膨大な医療費は、健康保険料と税金で賄われています。
健康保険料を払っている方、納税している方、健康保険組合の制度を作った方、子どもの医療費無償化を実現した政治家・公務員の方々には感謝してもしきれません。

 

将来の納税者を増やすという大義名分の元に、同僚に迷惑をかけたことを勝手に正当化していた私ですが、私と夫と娘の一生分の保険料納付と納税の合計金額よりも、これまでに利用した医療や公共サービスにかかった保険料と税金の合計金額の方が、はるかに多いような気がして、なんだか申し訳ない気持ちになりました。
(そして今後も医療や公共サービスにたくさんお世話になるでしょう…)

 

この状況を前向きに捉えてみると、日本は助け合いの仕組みがうまく機能していて、安心して子どもを産むことができる環境になっているのだな、と思いました。

個人的には、子育て世帯や子どもを産みたい人をもっともっと優遇しないと少子化問題は解決しない気がしていますが、こと医療に関しては、子どもの医療費が無償となっている自治体は、非常に安心感のある子育て環境だと思います。

 

私は、出産前に自分が持病のある子どもを育てることになるなんて、夢にも思っていませんでした。
出生前診断で全ての先天性疾患を予期することは現時点では不可能なので、生まれた子どもに持病が見つかった、という事態はどの親にも起こりえます。

持病のある子どもを育てることになっても、子どもの医療費に家計を圧迫されないことが保証されているのは、これから子どもを産もうとしている人にとっては、一つの安心材料になるかと思います。

 

日々、多くの方に支えられていることに感謝しながら子育てに励んでいますが、職場復帰した暁には、同僚への恩返しに加えて、保険料納付と納税により一層励みたいと思います。

 


☆以下のグループに参加しています☆

健康な子どもと自分の子どもを比べてしまうときの対処法

娘に病気があると分かる前は、よその子とうちの子を比較する意味はないと頭では分かっていつつ、「○○くんは娘より首すわりが遅いのね」「○○ちゃんは娘より早くずりばいしてる」などと、周りの子どもと娘を比べるときがありました。
この時は、比べることにプラスの感情もマイナスの感情もなくて、自分の子どもを通して、周りの子どもの様子や成長状況を理解していたように思います。

 

しかし、娘に病気があると分かってから、周りの子どもと娘を比べてしまうことが増えました。

娘が入院していつ退院できるのか不透明だったとき、ベビーカーや抱っこひもでお出かけしている親子がとても羨ましく見えました。
「私も娘とおでかけしたいなぁ 。なんで私たちだけお出かけできないの。」なんて考えて、しょんぼりしていました。

 

冷静に考えると、健康な子どもと自分の子どもを比べたところで、子どもの病気は良くならないし、何も生まれません。
親が前向きでいるために、健康な子どもと自分の子どもを比較するのは止めるべきだと思います。

 

私たちは、子どもに限らず、他者を見るとき、「自分にとっての理想像」を無意識に作り、そこから引き算するように評価してしまうものです。

健康な子どもと自分の子どもを比べてしまうと、どうしても病気にフォーカスが当たってしまいます。

 

親がやるべきことは、ありのままのわが子を、誰とも比べることなく、ありのままに見て、そこにいてくれることを喜び、感謝することだと思います。
それが病気に立ち向かう子どもにとって、一番のパワーになると信じています。

 

病気の子どもに限らず、全ての子どもを育てる上で重要なことは、

  • 理想像からの減点ではなく、子どもをありのままに受け止める。
  • 競争しない。焦らない。急がない。

だと感じています。

 

ある弱点があったとしても、必ずそれに見合った長所があるはずです。

親が広くものを見ることができれば、子どもの長所が見えてきます。
親が価値観を狭くしていると、子どもの弱点ばかりが目についてしまいます。

今、目の前にいるわが子と、親がやるべきことだけに、気持ちを集中することが必要だと思います。

 


本記事は以下の書籍を参考にして執筆しました。

 

岸見一郎,古賀史健「嫌われる勇気」,ダイヤモンド社,2013年12月

育児書ではなく、アドラー心理学のベストセラー本です。
仕事の対人関係に悩んでいたときに読みましたが、やはり子育てにも通ずる部分があります。
個人的には、グサグサくる表現がちょこちょこ出てくるので、比較的メンタルの状態がよいときに読むのをお薦めします。笑

 

佐々木正美「子どもへのまなざし」,福音館書店,1998年7月

言わずと知れた育児書のベストセラーです。
友人に勧められて妊娠中に読みましたが、子育てを始める前にこの本に出会えてよかったです。
今後も事あるごとに読み返すと思います。

 


☆以下のグループに参加しています☆

子どもの病気について相談したいとき、話を聞いてほしいとき、どうする?

病気の子どもを育てることは、不安との闘いでもあります。

子どもに病気があると分かったとき、入院してしまったとき、病状が悪化したとき、などなど、幾度となく不安に襲われ、とにかく誰かに話を聞いてほしい、相談したい、と思ったことがあります。

 

しかし、

  • 親とはいえ、病気という子どものプライベート情報をペラペラ話してよいのだろうか?
  • 病気という重たい話は、聞かされた方も困ってしまうのではないか?

という考えが頭をよぎり、なかなか周囲の人に話せずに孤独を感じていました。

 

ある日、孤独に耐えきれなくなって、学生時代からの信頼できる友人に、LINEで何もかもすべて話しました。
彼女が素晴らしい人で、とてもパワーをくれる返事を送ってくれたことは幸運でしたが、なにより、彼女とLINEでやりとりする中で、自分の状況を言語化することの威力を感じました。

彼女にLINEを送る過程で、自分が何に悲しんでいるか、何に不安を感じているか、頭の中が整理され、自分の状況を客観視できるようになりました。
すると、一旦冷静になって、じゃあ自分は何をすべきか、という方向に思考をフォーカスできました。

 

もし、このブログを読んでいる方が子どもの病気に悩んでいるのであれば、ぜひその悩みを信頼できる方に打ち明けてほしいと思います。
何もかも話せる相手がいるだけで、とても心が楽になるはずです。

 

個人的な考えでは、親だからといって子どものプライベートなことを誰彼構わず話してよいとは思いませんし、病気という重たい話をされた側も少なからず消耗すると思いますので、信頼できる数名に限って相談する、というところがポイントかと思います。

 

子どもを産んでから痛感したことは、子どもが健康であっても、子育ては周りの助けがないとできない、ということです。
子どもに病気があるのであれば、なおさら周りの助けがないと子育てできないと思っています。

ぜひ、ひとりで悩まずに、周囲の人に助けを求めてほしいです。

話を聞いてくれる人を一度見つけてしまえば、いつでも相談にのってもらえる人がいるという安心感を得ることができます。
この効果は絶大です。

 

どうしても話し相手を見つけられない場合は、赤の他人に話してしまうのも一手ではあります。

先日、水曜日のダウンタウンというバラエティ番組を見ていたのですが、そこに出演していたコロコロチキチキペッパーズナダルさんが印象に残っています。
「コンビの相方が倒れて命の危険がある、と聞かされた後にどのような行動をするか」というドッキリ企画の対象者として、ナダルさんが出演していました。
(病気の家族がいる立場としては、ドッキリの内容がやや不謹慎だと思いましたが、それでも番組は面白かったです。)


番組内では、ナダルさんがマネージャーさんから相方が倒れた旨の連絡を受けると同時に、「仕事に影響するといけないので、現時点では家族にも口外しないでくださいね」と口止めをされていました。
が、ナダルさんはマッサージをホテルの部屋に呼び、マッサージ師の方に「相方が倒れてしまって…」とペラペラ話していました。

「そんなペラペラ話すなよ」と言いたくなる場面ではありましたが、誰でもいいから話を聞いてほしいというナダルさんの心情は分からんでもないな、と思いました。

 

この番組を見て、ただ話を聞いてもらうだけで良ければ、マッサージ師や美容師の方に施術を受けながら話すのも、後腐れが無くて良いのかもしれない、と思いました。
(お客さんの愚痴を聞くのも彼らの仕事のうちと思って…)

 

家庭内で悩みを抱え込んでしまうと、どうも煮詰まってしまいがちです。
放っておくと、ひたすら落ち込んで立ち直れない、という状況に陥りかねません。
どうか、悩みを打ち明ける相手を見つけて、話して、楽になって、また前向きに子どもと向き合ってください。

 


☆以下のグループに参加しています☆

病気で辛そうにしている子どもとの向き合い方

持病のある子どもを育てていると、

  • 病気の症状自体が辛そう
  • 採血・点滴が痛そう
  • 薬の副作用が辛そう
  • 手術が痛そう
  • 病気のせいでやりたいことができない

など、子どもが辛そうにしている場面に親は向き合わなければなりません。

 

ただ、採血・点滴・投薬・手術などの医療行為は、子どもが病気に立ち向かうために必要だから行っていることです。
医師が必要だと判断し、親もそれに同意したのであれば、「申し訳ない」「かわいそう」という親の感情は、捨ててしまったほうがいいと思っています。

 

ここで親が「健康に生んであげられなくてごめんね」「痛そう」「苦しそう」「かわいそう」と言ってしまうと、もしくは思ってしまうと、子どもに悪いことをしているという思いがどんどん強くなって、前向きではいられなくなります。

 

子どもが病気に立ち向かっているときの親の役割は、子どもが少しでも安心できるよう、応援し、導いてあげることだと思います。

「ごめんね」「かわいそう」の代わりに、「よく頑張っているね」「ママ(パパ)がいるから大丈夫」「ママ(パパ)もやったことがないこと(例:手術)をやるなんて、すごい!」と穏やかに伝えてみるのはいかがでしょうか。

 

子どもに前向きな言葉をかけているうちに、親の気持ちも少し前向きになってくると思います。

ここでのポイントは、心の中で思っているだけではなく、声に出して伝えることです。

子どもがまだ話せない年齢であっても、声に出して伝えれば、きっと子どもに伝わると信じています。なにより、親の発した前向きな言葉が親自身の耳に入り、自分で自分を励ますことができます。

 

また、さらに一歩進んで「ありがとう」を伝えてみるのはいかがでしょうか。
「病気に立ち向かってくれてありがとう」
「治療を頑張ってくれてありがとう」
「生まれてきてくれてありがとう」
「ありがとう」を伝えていると、子どもの病気ではなく、子どもの頑張りや存在そのものにフォーカスでき、親も前向きになれると思っています。

 

親が病気の子どもと向き合うとき、子どもの病状や心身の状態を把握した後は、意識して子どもの病気以外の部分に関心を寄せることが必要だと思います。

子どもの病気ばかりが気になってしまうとは思いますが、病気が子どもの全てではありません。
子どもの頑張りに目を向けて、励まし、感謝することが、親の役割ではないかと思います。

 


 

本記事は以下の書籍を参考にして執筆しました。

清水悦子「赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド」,かんき出版,2011年11月

夜泣きがひどい赤ちゃんへの向き合い方を解説した本ですが、病気の子どもと接するときにも通ずる部分があると感じました。
特に第6章は、夜泣きに悩む親だけでなく、全ての親へのエールが書かれています。
興味があればぜひ読んでみてください。

 


☆以下のグループに参加しています☆

病気の子どもを育てる親が前向きになる方法

子供に病気があると分かったとき、私はとても落ち込みました。
これからどうなるのだろう、と不安に襲われました。

 

しかし、子どもの病気によって一番大変な思いをしているのは、間違いなく子ども本人です。

子どもの病気が良くなるために、親としてベストを尽くすしかありません。
その上で、親が前向きであることは、非常に重要だと考えています。
少なくとも、子どもと接している間だけは、親は前向きでいるべきです。

 

親が落ち込んでいたり、不安になっている姿を子どもに見せてしまうと、子ども自身の不安を大きくしてしまうのではないでしょうか。

親の役割として一番重要なことは、子どもに穏やかに接して、子どもの不安を大きくしないようにすることだと思います。

 

現実はとても残酷で、親が子どもの病気を治すことはできません。
親が子どもの病気を代わってやることもできません。
現実が変わらないのであれば、あとは捉え方を変えるしかありません。

 

どうやって前向きになるかを考えたとき、以前Twitterで出会った記事のことを思い出しました。
病気とは全く関係のない記事ですが、ものの見方を意識的に切り替えることの威力を感じる記事です。

dailyportalz.jp

この記事の真似をして、身の回りにあるものを適当に選んで、斜にかまえる・かまえないを実際に切り替えてみてください。
ものの見え方が一変するのではないでしょうか。
特に、斜にかまえないとき、当たり前のようにそこにあったものが、とても素晴らしいものに思えてきます。

 

子どもの病気ばかりに目を向けてしまうと、マイナスの感情が止まらなくなります。
無理矢理にでも意識を切り替えて、子どもの頑張りや、親が嬉しかったことなどに目を向けた方が、前向きでいられると思います。

 

大げさに言うと、前向きになれば、見える世界が変わります。

私たちが見ている世界は主観がすべてであり、自分の主観から逃れることはできません。
重要なことは、「世界がどうあるか」ではなく「自分がどうであるか」です。
自分の主観だけは、自分で選ぶことができます。
言い換えると、自分を変えることができるのは、自分しかいません。

 

病気に立ち向かう娘のためにも、私は常に前向きでいるための努力を続けたい、と思っています。

 


☆以下のグループに参加しています☆